$MYOという銘柄についての分析です。
少子高齢化が日本においては問題となっていますが、今後多くの先進国で高齢化は大きな問題となると思います。
高齢化が進む中で晩婚化が進んで不妊治療の問題が増えたり、脳卒中などへの罹患者数も増えていくものと考えられます。
そういった意味合いで、不妊治療に関連した$PGNYや脳卒中等で上肢に麻痺を来した患者への補助デバイスを提供する$MYOには今後大きな市場機会があると思っています。
$PGNYについてはまた今度考察するものとして、今回は$MYOについてです。
○事業内容(マネックス証券より)
ミョウモは、医療用ロボット企業である。神経筋疾患を患う人々のために筋電矯正装置の開発、設計、製造を手掛ける。脳卒中、腕神経叢損傷などの脊髄・神経損傷、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や多発性硬化症(MS)などの神経・筋肉障害を患う人々のために、麻痺あるいは筋力が低下した腕や手の機能を回復させるための、軽量で非侵襲的な電動式腕装具であるMyoPro製品シリーズを開発、販売している。製品は、Mayo Clinic、Cleveland Clinic、Massachusetts General Hospital、Kennedy Krieger Institute、Loma Linda Medical Center、および20カ所のVA(退役軍人)病院などの主要なリハビリテーション施設で患者に提供されている。
○製品内容
・MyoProという製品を販売しています。
・今後は小児向けのMyoPalという商品も販売する予定のようです。
○$MYOについて
・投資家向けのプレゼンテーションより大まかな事業内容をみていきます。
・麻痺した上肢に装着するウェアラブルデバイスを製造販売する企業です。
・脳卒中やALSなどの幅広い神経筋疾患に苦しむ患者に多くの利点を与えるデバイスです。
・慢性的な上肢の麻痺に苦しむ患者や、新規に脳卒中を発症する患者など、これから$MYOが介入していける市場は大きなものとなります。
・上記の3領域でのリーダーとなることを目標にしています。
・MyoProは上記の動画のように筋電図を読み取って動かすことができ、最近では脳に埋め込んだ電極から電気信号を読み取る手法も研究されているようです。
→もちろん健常側と全く同じように動かせるわけではなさそうですが、コップなど何かを持てるだけでも上肢の機能としてはかなりのメリットとなります。
・上肢に対する義肢を販売する企業はありますが、上肢に対する装具を販売する企業は現状では$MYOだけで競合がいないことは投資の上でのメリットとなりそうです。
・保険認可されており、軍や医療保険機関などで販売されています。
・米国以外にもドイツを中心としたヨーロッパ、中国にも展開しています。
・第三者機関を介さない直接販売モデルを広げることで営業利益率の拡大を図っています。
○懸念点
・研究開発費よりもSG&A(広告販売)へ費用を追加しており、今後MyoPal以外に革新的なデバイスを販売できるかに懸念が残る。
・2019年3月の投資家向けプレゼンテーションで営業キャッシュフローの損失削減を掲げているにも関わらず、現状は営業キャッシュフローで損失が拡大しており、黒字化の目途が立っていない。
・発行済の株式数が5,191,417と多く株式が希薄化している影響で、インサイダーが保有する株式が3.7%程度しかなく、2021年Q1で損失が450万ドル→300万ドルに減少したにも関わらずEPSが2.51→0.57ドルへと希薄化している。
○決算振り返り
・直近決算のEarning callも読みましたが、特別感心することも落胆することもないような内容でしたので割愛します。
・FCFや営業CFがどのように今後推移していくかが気になるところです。
🌟まとめ
・脳卒中など神経筋疾患の罹患者は高齢化とともに増えることが予想され、その中で上肢のウェアラブルデバイスを製造する$MYOの関われる市場は今後も拡大していくと重れれる。
・現状で上肢のウェアラブルデバイスで競合がいないのは$MYOにとっての大きなメリットであり、売上高がYoY>100%であるのもすごいと思う。
・一方で上述のような懸念があり、研究開発費が少ないことで革新的なデバイスを発表できるか不安が残り、競合が出てきた場合には競合に負けてしまうのではと不安を感じる。
🎁個人的には・・・
・競合が現れない限りは基本的には買いで良いかなと思っています。
・R&Dにかける費用がどのように推移していくか注視していきたいと思います。